折込広告とは?新聞折込を例に特徴から手配方法までを解説!

はじめに

今回は折込広告を初めて検討されている、店舗型ビジネスの広報担当者に向けて、折込広告の特徴から配布の手配方法までを解説します。

折込広告とは

折込広告とは、広告物を新聞やフリーペーパーなどに折り込み配布する広告配布手法の1つです。折り込み広告は媒体ごとに特徴が異なり、以下では身近な媒体を例に説明します。

新聞折込

折込広告の中で最もメジャーな方法が、新聞を利用して広告物を配布する新聞折込です。
朝日・毎日・読売・日経新聞に加え、地方新聞などから銘柄を選び、広告物を折り込むことが可能です。こちらは、新聞を購読している世帯への広告配布が可能です。
また、新聞折込とよく比較される広告配布手法には、ポスティングがあります。ポスティング広告についてはこちら

新聞折込の反響率

一般的に新聞折込の反響率は0.01%~0.3%と言われています。

反響率は、「反響率=反響数÷配布数×100」で算出でき、
上記の場合、10,000部配布して1~30件の反響があるという計算になります。

しかし、一回の配布のみで大きな反響は見込めないことが多いため、複数回の配布で反響率UPを狙っていきましょう。

フリーペーパー折込

新聞折込の他に、フリーペーパーを利用し広告物を配布するフリーペーパー折込があります。
地域密着型の媒体(地元の人向けにファッション、グルメ、求人情報などを掲載した地域情報誌)を使用することで、新聞を購読していない世帯や主婦層へのアプローチにも効果的です。

折込広告は、媒体ごとに特徴が違うという認識を持っていただいたところで、以降は一般的な新聞折込の詳細を説明していきます。

新聞折込のメリット

新聞折込のメリットは大きく以下の5つが挙げられます。

・比較的安価で配布が可能
・情報の信憑性が高い
・店舗周辺に住んでいる世帯にアピールできる
・即効性がある
・保存性が優れている

比較的安価で配布が可能

新聞折込の実施を検討する際によく比較されるポスティングと比べた場合、新聞折込は費用を抑えた配布が可能です。ポスティングはチラシのみを配布するために配布スタッフが動きますが、新聞折込は新聞という他媒体の配布ルートを使用するため、比較的安価で実施が可能です。

情報の信憑性が高い

一般的に「新聞=正しい情報」というイメージを持つ消費者が多く、新聞折込として配布される広告物に対しても同様のイメージを持たせる事ができるでしょう。
銘柄によって消費者がもつイメージも様々で、例えば、ビジネスに精通する紙面にビジネス英会話の集客チラシを折り込むことで、ターゲット層が欲しい情報(新聞)+それに付随した信頼できる情報(チラシ)として発信することができます。

店舗周辺に住んでいる世帯にアピールできる

新聞折込の特徴の一つに、エリアを絞り配布できることがあげられます。地域新聞などを利用した新聞折込では、その新聞からの情報収集をしている地域の人向けに情報発信ができます。例えば、スーパーのオープン告知などその地域に根ざした実店舗の情報を、そのスーパーを利用するであろう地域の人に向けて発信することで、販促効果が期待できるでしょう。

即効性がある

さらに、新聞折込は折込日を選べるため消費行動に直結しやすく即効性を見込めます。
上記で取り上げたようなその地域に根ざした実店舗のオープンやセールなどに向けて新聞折込を活用したい場合は、前日~当日の折込が消費行動に繋がりやすくオススメです。

保存性が優れている

新聞折込は保存性にも優れており、webの情報と比較した際に手元に残せる・読み返すことができるものとして発信することができます。今は必要では無いが、いつか必要になるかもしれないから取っておこうというと保管されやすいのも新聞折込の特徴の1つです。

折込広告のデメリット

様々なメリットの裏には、注意点もあります。

・新聞未購読者に配布できない
・持続的効果を期待できない
・掲載できる情報が限られている

新聞未購読者に配布できない

新聞折込は新聞購読者に対し情報発信できるもののため、新聞未購読者への発信はできません。新聞購読者の減少や若者の新聞離れを懸念する場合は、ポスティングを利用して新聞未購読層への情報発信をカバーするケースもあります。このようなことから多くの配布業者は折込とポスティングの両方を取り扱っています。

持続的効果を期待できない

即効性がある一方で、1回のみの配布では見逃されてしまったり、必要としていないタイミングのため捨てられてしまったりする可能性もあります。この点は、同じ地域に複数回配布することで認知獲得を狙いましょう。

掲載できる情報が限られている

新聞折込には、掲載できる情報が限られており、以下3つの観点から注意が必要です。

①新聞社が定めた規定がある

各新聞社が新聞広告として掲載するにあたって基準を設けており、一般的に必要とされる内容が以下です。

・責任の所在を明確にする
 広告主や広告を出す事業所の名前・住所・連絡先(固定電話)の明記

・誤認されないようにする
 購読者に不安を与えるような内容(裏付けのない断定表現)や、まぎらわしい体裁や表現はしない

②広告を規制する法律

商品やサービスをアピールする“広告”では以下の法律違反にならないように注意が必要です。

・消費者を保護する
・事業者間での公平な競争を保つ
・著作物の権利を保護する
これらの法律についてまとめている記事はこちら

③サイズに限りがあるため、物理的に掲載量が限られる

新聞折込で一般的に使用される紙のサイズはA4・B4サイズです。ストレスなく読みやすい文字の大きさや、ある程度余白のあるデザインを意識すると、物理的に掲載できる量が限られます。
最近では、広告物で掲載しきれない情報をWebで掲載し、そのアクセス情報まで活用する方法もあります。具体的には、広告物に二次元コードやサイト情報を掲載することで、Webへユーザーを誘導し、さらにその反応を計測することで施策の良し悪しを見極めることができます。

折込広告をおすすめするケース

新聞折込に向いているケースをご紹介します。

高単価なものを広告したいとき

PRTIMESに掲載されている株式会社キャリアインデックスが発表した「新聞を読んでいる人は高年収」という調査結果に基づいて考察できることが以下です。

新聞を購読している人は、ビジネスマンや新聞からの情報収集が習慣化している人達で、その人達は年代が上がるにつれ所得が上がる傾向にあります。
つまり、新聞折込は高単価な商材や、経済動向に敏感な層をターゲットとした商材のアプローチに向いています。

短期間に広範囲に配布したいとき

ポスティングと比較すると分かりやすいのですが、ポスティングは配布完了まで約1週間かかるのに対し、新聞折込は1日で配布が完了します。広範囲であっても短期間で配布できるのが、新聞折込の強みの1つと言えるでしょう。

配布するまでの流れ

新聞折込の実施を検討するにあたり、手配方法を解説していきます。
手配方法は、広告物が未完成・完成している場合で折込までのフローが異なります。
それぞれ解説していきます。

①広告の目的を整理する

何のためにどのような広告物を配布したいのかを固めていきます。
例えば、スーパーのオープンに向け集客チラシを打ちたい場合は、どのような層に向けていつ訴求するのかまで明確だと広告物のクリエイティブ制作がスムーズになるでしょう。

②配布日を決める

新聞折込の手配に決定的な順番はありませんが、なるべく早い段階で配布日を決めておくと良いでしょう。
具体的な配布日が決まっていなくても、広告物の制作から配布の手配までを広告代理店へ依頼することを検討している場合は広告代理店に相談したり、配布の手配までご自身で検討しており広告物がすでに完成している場合は配布業者へ直接相談したりできます。

一般的には、多くの人の消費行動を促すには金・土曜日の配布が効果的で、商品やサービスをゆっくり検討させたい場合は日曜日、スーパーのセールなどに合わせる場合は火・水曜日に配布するのがオススメです。

広告物が完成している場合は、⑤折込の条件確認に進んでください。

③仕様の確認

広告物を印刷する用紙のサイズや種類を選定していきます。

サイズについて

基本的に新聞折込ではA4・B4が一般的で、それ以上のサイズでも折加工を施せば折込が可能です。デザイン制作を依頼する際は、サイズや、片面・両面デザインするのかでも費用が異なります。

用紙について

用途によって使用する用紙が変わってくるため、最適な用紙を選択しましょう。

コート紙:ツルツルした感触で、写真が綺麗に印刷できる用紙です
マット紙:高級感を出したい、落ち着いた印象を持たせたい場合にオススメの用紙です
上質紙:筆記性に適しているため、情報を記入してもらう場合に適した用紙です
微塗工紙:大量に印刷する際に安価で印刷できる用紙です

特にこだわりが無い場合、よく使用される用紙はコート紙です。

④デザインする

デザイン制作は自社制作する場合と依頼する場合に分かれますが、折込会社の紙面審査で広告物の内容を確認される前提でお伝えすると、最低限掲載が求められるのは以下です。

・広告主の名前
・広告主や拠点となる事業所の住所
・広告主や拠点となる事業所の連絡先(電話番号)

また、断定表現や広告の法律に反する表記は避けましょう。

⑤折込の条件確認

新聞折込を配布するにあたり、配布するエリアとどの銘柄に何部配布するかを決めていきます。

配布エリア

新聞折込は店舗型ビジネスに有効な施策の1つで、配布する際は店舗を中心として、その店舗の商圏に配布するケースが多いです。例えば、見込み顧客が多い駅などを中心に配布を実施する場合もあります。

配布部数

反響の面からみて、10,000部からの配布をオススメします。業者によって最低限何枚からでないと配布出来ないといった配布可能部数が設定されている場合があるため、確認しておくと良いでしょう。

また、1回のみの配布ではなく複数回配布し、その反響をみて自店舗に合った配布エリアや配布部数や配布のスパンを見つけていくのが一般的です。

紙面審査

配布の内容が具体的になってきたところで、広告物を印刷する前に紙面審査を依頼します。
紙面審査で折込不可となった場合は、デザインの修正が必要になるため、必ず印刷前に確認してもらうことをオススメします。

納品日

業者や配布を実施する地域にもよりますが、配布日の2~3営業日前に納品するケースが一般的です。
例えば、4/8(金)に配布したい場合は、4/6(水)の午前までに納品など、配布日から逆算した納品日を確認しておく必要があります。

⑥印刷手配→折込手配

具体的に配布可能部数がわかったところで、何部印刷するかを決め印刷の手配をします。印刷手配をする際、出来上がった広告物の納品先を配布業者に聞き、納品日に間に合うようスケジュールを進行しましょう。

費用について

配布する地域や希望の銘柄により単価が変動します。新聞折込の配布手配に広告代理店を通す場合でも、配布可能エリアや配布可能部数は、新聞の購読者数によって変動するため、最新の情報を確認しましょう。

基本的には、配布単価×部数で概算を算出できます。

効果を高めるコツ

新聞折込の実施を検討するうえで、効果を高めるためにポイントを抑えましょう。

繰り返し配布すること

新聞折込は、繰り返しの実施で顧客との接触頻度を高めることができます。前述しましたが、1回のみの配布では、その情報を必要としていないタイミングであったり、他の広告物に埋もれてしまい見逃してしまうこともあります。
定期的なアピールで、常に最新の情報を発信しているという印象付けもできます。

数字を取りためておくこと

新聞折込を実施した反響数(問合せ数や売上)をチェックし、複数回実施していくことで、その店舗に合った施策を考えてく材料になります。
例えば、1年を通してどの時期が一番反響があったのか、どこを中心に配布した際に反響があったのかなどをみていくと良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?今回は折込広告の実施をはじめて検討されている広告担当者様向けに、中でもメジャーな新聞折込を例に、特徴から配布の手配方法までをお伝えしました。ターゲットや訴求したい内容によって、適切な広告配布手法を選ぶことが大事です。この記事を読んで、新聞折込に加えポスティングの実施も検討されたい場合は、ポスティングについての記事も参考にご一読頂ければと思います。

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