記事広告とは?広告担当者に向け特徴からやり方までを紹介!

はじめに

ニュースやコラム、SNSなどで情報収集している際に「PR」などが表記されている記事を見かけたことはありますか?
それこそが今回の記事で取り上げる「記事広告」です。
はじめは新聞や雑誌でのタイアップ記事が一般的でしたが、今ではWebへの掲載も多く見受けられます。

今回は広告担当者様に向け、Webへ掲載する「記事広告」について、特徴からやり方までを紹介していきます。

記事広告とは

記事広告とは、第三者が商品やサービスの魅力をまとめた記事を他社メディアへ掲載する記事形式の広告です。
「タイアップ広告」や、記事広告を略して「記事広」と呼ぶこともあります。
宣伝色が少なく、広告らしさが控えめのなのが記事広告の特徴です。

記事広告はネイティブアドの1つ

記事広告の表示例
画像:アプリ「SmartNews」より

広告らしさを控えた記事広告は、ユーザーの情報収集を邪魔することなく自然にアピールできる「ネイティブアド」という分類に含まれます。

ネイティブアドには、記事広告の他にも、SNSやECサイト、リスティング広告などがあり、その媒体に掲載されている内容によく馴染むことが特徴です。

記事広告と普通の記事の違いとして、記事広告の場合は記事タイトル近くに「広告」「PR」「Sponsored」などが表記されており、普通の記事と簡単に見分けることができます。

記事広告のメリット

記事広告の実施を検討する際、参考にできる主なメリットを紹介します。

掲載先メディアを選ぶことができる

メディアの中でも、キュレーションサイト(webメディア)やTwitter(ソーシャルメディア)などは、媒体ごとに得意とするターゲット層があります。
記事広告は掲載するメディアを選ぶことができるため、そのメディアのターゲットとする読者が持つ興味関心や知識などといった情報を推測し、商品やサービスのターゲットに近い層にリーチさせることができます。

情報量が多く発信内容の質が高い

記事広告はディスプレイ広告やリスティング広告と比べ、圧倒的な情報量を掲載できるため、リッチな内容で訴求することができます。
例えば、キャッチコピーや箇条書きでは伝えきれない表現に加え、複数枚の写真やイラストなどを使用し、より詳細に情報を伝えることができるため、読者の深い理解を得ることができます。

信頼を得やすい

上記のリッチな情報を含め、記事広告は第三者視点で書かれるため、商品やサービスの比較検討の際にユーザーに近い意見として参考にされやすく、信頼を得やすいです。
のちに紹介しますが、「〇〇してみた」の記事がまさに、ユーザーに近い第三者視点で書かれている記事広告です。

SEO効果を期待できる

記事広告は、ユーザーの知りたい情報を第三者視点で詳細に伝えることができるだけでなく、オリジナリティのある内容として他社の発信する情報と差別化をはかることができます。さらに、メディアを選べるという点では、他社のドメインパワーを活用することができるため、これらのことからSEO的効果を得やすいとされています。

記事広告には具体的にどんな記事があるか

広告の中でも記事広告を活用する目的として、「新商品やサービスを大々的に広めたい」「既存商品やサービスの捉え直しとして発信したい」などといったものがあります。
一般的に記事広告によく見られる内容が以下です。
記事広告にはどんな種類があるのか、現在記事広告の実施を検討されている商品やサービスにはどんなものが適しているか考えてみましょう。

インタビュー記事

インタビュー記事は、記事広告を出稿する会社の“従業員など社内へのインタビュー記事”と、記事広告を出稿する会社の“お客様など社外へのインタビュー記事”の2つに分かれます。

どちらも、購買や契約に至るまでの後押しとして効果的なものです。

開発者・事業者へのインタビュー

商品やサービスを開発・販売する事業者側へインタビューし、開発秘話や今後の展望などをまとめた記事です。
こだわった点やどういうケースに適しているかなど、商品やサービスを提供する側からリッチな情報を伝えることができます。

利用者・顧客へのインタビュー

商品やサービスを実際に使用・導入しているお客様にインタビューし、顧客目線での魅力をまとめた記事です。
実際に使用した感想や、当初疑問を抱いていた点と使用後のギャップなど、ユーザーが気になる視点を盛り込んだ内容が特徴的です。また、その商品やサービスを使い続けている優良顧客やリピーターなどの意見を発信することで、開発者・事業者の社会的信頼“良いイメージ”を与えることができます。

診断系(複数サービスを比較、ケース別でオススメ)

記事広告(診断系の記事)のしくみ

ユーザーを参加させながら商品やサービスをアピールする記事です。
化粧品やファッション系で例えると分かりやすいのですが、最近では万人向けの商品ではなく、タイプ別で個人に訴求する内容が多く見られます。例えば、カラー診断を用いて「イエベ秋」などユーザーの肌質属性を診断し、「イエベ秋」のユーザーに紹介したい商品をPRする方法があります。このような診断記事だと、自分ごととして捉えてもらうことができるため、商品やサービスに対して信頼を得やすくなります。

〇〇してみた記事(報告・レポート系)

「今話題の美顔スチーマーを使ってみた!」など商品やサービスを実際に使い、疑問点や効果などをユーザーに近い第三者視点でまとめた記事です。
商品やサービスについて知りたい・購入を検討しているユーザーが、購入し実際に使用しているところを想像させやすいことがメリットです。
また、こういった口コミを参考に消費活動することがメジャーになりつつある今、バズらせやすい(爆発的にヒットを狙える)のも特徴です。

求人広告

経営者や活躍している社員へのインタビュー記事で、企業のノウハウ、魅力、考え方をアピールする記事です。
他媒体での求人広告を補完する役割も担い、募集要項だけでは伝わらない仕事の良さや労働環境などを伝えることができます。
特に採用活動に力を入れている場合は、上記のようなリッチな情報を発信することで、それに共感した・一緒に取組んでいきたい人材を集めやすくなるでしょう。

SEO対策を加えた記事

SEO対策を加えた記事とは、対象のキーワードで検索結果上位を狙い、中長期的な流入を目的とする記事です。
検索結果上位を狙うための外部要因の対策として、ドメインパワーのあるメディアを選び掲載するという、記事広告の特徴を最大限に活用することができます。内部要因の対策としては、そのキーワードで検索したユーザーの検索意図を満たすことに加え、記事自体の質を高めていく必要があります。

この記事を出稿するメリットは、検索結果のページ内では、同一サイトで表示できる広告は2個までとされていますが、それに加え他社サイトからもユーザーとの接点を増やすことができることです。
内容として効果的なものは“紹介記事”で、検索結果に沢山露出があるだけでなく他社サイトでも紹介されているという信頼を与えることができます。

記事広告と相性の良い素材

記事広告の主な種類を把握できたところで、具体的に記事広告と相性の良い素材について見ていきましょう。

差別化が難しいもの

商品やサービスの購入を検討する際に後押しとなるのが記事広告の役割でもあります。
差別化が難しいものほど、写真やイラストでの視覚的な情報に加え、作った・使ってみた感想で信頼や当事者意識が生まれ、購入の後押しに効果的だと言えます。
例えば、Webの分析ツールや、美容グッズなど、競合とどれも同じに見えてしまうものも、機能の詳細やビジュアルに加え、制作側の背景などがあると説得力が増します。

新しい価値や概念を定義するもの

消費者に馴染みのない商品やサービスは、潜在層に対して分かりやすい・必要性を感じることができる内容でアピールする必要があります。そのような素材ほど、当事者意識を持たせることができる診断系記事を活用できます。
一般のユーザーが専門的な知識を持たない商材の例としてサプリメントがあります。サプリメントは、万人ではなく自分に足りない栄養素を知り、初めてその必要性を知ることができるため、効率的な販売には当事者意識を持たせることができるアプローチ方法が有効でしょう。

今の広告が刺さらない層へアプローチしたいもの

リスティングでの競合争いが激しいものや、詳細説明があれば差別化できそうなものなどは、既存商品やサービスをユーザーに捉え直してもらう必要があります。優良顧客やリピーターへのインタビューで、購買意欲をかきたてることができるでしょう。

記事広告を検討するうえで注意したい点

広告らしさを控えて、自然に商品やサービスの魅力をアピールすることができる記事広告ですが、そのメリットの裏で注意すべき点があります。

ステマ(ステルスマーケティング)になってはダメ

ステルスマーケティングの説明

ステマとは、ステルスマーケティングの略で何かを宣伝する際に提供者に報酬を貰っていることを隠す・悟られないように活動することを意味します。

ステマには、(パターン①)消費者を装いPRする手法と、(パターン②)影響のある人や媒体(芸能人やインフルエンサーやメディア)にPRさせる手法の2種類があります。
いずれにしても、消費者を騙して報酬が発生するため、社会的信頼の損失を招いてしまいます。

前述しましたが、記事広告を作成する際には「広告」「PR」「Sponsored」などと表記していないとステマと認識されてしまう恐れがあるため、十分に注意が必要です。

少額でのトライアルができない

記事広告は1本数十万円~の費用がかかります。他のWeb広告施策のように少額で試してみて調子が良くなってきたら本格的に投資していくというやり方が難しいものです。
また、1本の作成にそれだけの費用がかかる施策のため、確実にCV(コンバージョン)させるクオリティの高いサイトが受け口として必要です。
少額でのトライアルは難しいですが、質の高い情報を商品やサービスのターゲットに近い層にリーチさせたい場合は、記事広告の実施を検討してみると良いでしょう。

記事広告の費用相場

記事広告の費用は、どのメディアに掲載するかによって変動します。有名なメディアで話題性や拡散性が高くなると見込めるものはその効果に応じて費用がかかります。

以下は、概算費用を算出する方法です。
「予想されるPV(ページビュー)数 × 20~150円」

PV(ページビュー)数とは、そのWebサイトが閲覧された回数で、20~150円は1PVあたりの単価です。

このPV単価は以下の要素で変動します。
・媒体のブランド力・ドメインパワー
知名度・影響力のある媒体や、サイトとしてのもともとの評価が高いものは、サイト自体に加え、そこに掲載される記事に対しての信憑性が高まるため費用は高くなります。

・ユーザー層
購買意欲が高いユーザーを抱えるサイトほど購買確率を見込めるため費用は高くなります。

このほかにも、取材が発生するものや記事に使う素材で撮影が発生する場合は別途費用がかかります。

記事広告の掲載方法

記事広告の実施フロー

記事広告は、顧客のニーズを汲み取った企画立案からメディアでの掲載までに1か月程度かかるものが一般的です。具体的なフローを説明していきます。

メディアの選定

まずは、記事広告として出稿したい商品やサービスに合わせたメディアを選定します。媒体ごと・メディアごとでも得意とするターゲットが異なるため、複数を比較したい場合は広告代理店に相談してみるのも良いでしょう。

企画

つぎに、掲載する記事の概要と内容を決めていきます。
ヒアリングを受ける際は、商品やサービスをどのような角度からアピールしていきたいのかをしっかり伝えましょう。その際、掲載する媒体の特徴や記事の種類も合わせて企画を練っていくのが良いでしょう。

記事作成

そして、企画した記事を作成していきます。
記事作成を依頼する形になるため、ヒアリングの際に伝えた内容に沿っているかを確認し、ブラッシュアップしていきます。
ここでは、仮で出来上がった案を何度か確認する機会が設けられ、その回数や内容によっても作成期間が変動します。

記事公開

さいごに、記事が完成したら公開します。媒体への掲載だけでは無く、積極的に現在抱えている顧客や見込み顧客へもアピールしていきましょう。
また、記事広告経由で問い合わせや購入などのCV(コンバージョン)に至った数も計測し、広告施策の良し悪しをはかる材料として活用していきましょう。

おわりに

今回は「記事広告」について、特徴からやり方までを紹介しました。記事広告といっても複数の種類があり、その特徴も様々です。新たにアピールしたいものや、ユーザーに対して新しい角度からアピールしていきたいものがある場合は、記事広告の検討も視野に入れていただけたら幸いです。

おすすめの記事