ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いから実施を検討する際のポイントまで解説

ディスプレイ広告とは?

ディスプレイ広告とは、webサイトやアプリ上の広告枠に表示される、画像・動画・テキスト形式の広告のことを指します。これらはバナーで表示されることが多く、「バナー広告」と呼ばれることもあります。
仕組みとしては、ユーザーが画像などをクリックすると、広告主が設定したwebサイトへ遷移させることができます。

主なディスプレイ広告の種類

ディスプレイ広告出稿サービスとして広く浸透している、「Googleディスプレイネットワーク」と「Yahoo!ディスプレイ広告」について、それぞれの特徴を解説していきます。

GDN(Googleディスプレイネットワーク)

GDN(Googleディスプレイネットワーク)の掲載イメージ

GDNとは、Googleディスプレイネットワークの略で、Google広告で配信可能なディスプレイ広告のことを指します。YouTube・GmailといったGoogleが提供するサービスに加え、価格.comなどGoogleが提携しているパートナーサイトやパートナーアプリにも広告を出稿することができます。


YDA(Yahoo!ディスプレイ広告 運用型)(旧:YDN)

YDA(Yahoo!ディスプレイ広告 運用型)(旧:YDN)の掲載イメージ

YDAとは、Yahoo!ディスプレイ広告 運用型の略で、Yahoo!JAPANが提供しているサービスに加え、クックパッドなどYahoo!JAPANと提携しているパートナーサイトやパートナーアプリに広告を出稿することができます。元々のサービスは、YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)という名前でしたが、画面の見た目等仕様変更にあたりリニューアルされたものがYDAです。

ディスプレイ広告とリスティング広告の違い

リスティング広告とディスプレイ広告の掲載場所の違い
リスティング広告ディスプレイ広告
掲載場所検索結果画面の広告枠各媒体の広告枠パートナーサイトやアプリの広告枠
フォーマットテキストのみテキスト+画像/動画
ターゲット顕在層潜在層
配信対象ユーザーの検索キーワード人・場所
平均クリック単価100円~1,000円50円~100円

項目ごとに相違点をまとめました。ディスプレイ広告とリスティング広告が異なる施策であることを認識しましょう。

広告の掲載場所

リスティング広告:検索結果画面の広告枠(ページの上部や下部)に掲載される
ディスプレイ広告:各媒体の広告枠、または各媒体と提携しているパートナーサイトやパートナーアプリの広告枠に広告が掲載される

フォーマット

リスティング広告:テキストのみの配信
ディスプレイ広告:テキスト広告に加え、画像や動画も配信可能

ターゲット

リスティング広告:ユーザーが検索したいキーワードに連動して検索結果が表示される“検索連動型広告”という仕組みのため、欲しい商品やサービスなどが明確な購買意欲の高いユーザーにアプローチが可能
ディスプレイ広告:ニーズが明確ではない潜在層のユーザーにアプローチが可能

配信対象

リスティング広告:ユーザーの検索キーワード
→ユーザーがキーワードを検索し、配信設定の詳細条件と合致する際に広告が表示される仕組み
ディスプレイ広告:人・場所
→一般的には、あらかじめ設定した「場所」に「人」が訪問した際に広告が表示される仕組み

クリック単価

ディスプレイ広告(GDNとYDA)の広告出稿で利用できる課金方法は、「クリック課金」と「インプレッション課金」があります。一方リスティング広告の出稿はクリック課金のみ利用できます。

※「クリック課金」とは、広告がクリックされた数に対して支払いが発生する課金方法です。「クリック単価」とは、広告が1回クリックされるためにかかった平均コストでCPC(=Cost Per Click)とも呼ばれます。

上記の表はクリック単価で比較した際の参考数字です。
【CPC=広告配信にかかった費用÷クリック数】

下記、メリットでディスプレイ広告のクリック単価の方が安い理由を説明します。

ディスプレイ広告のメリット

ディスプレイ広告の活用方法やその効果から、どんなメリットがあるのか見ていきましょう。

潜在層にアプローチできる

ディスプレイ広告は各媒体の広告枠に掲載されるため、欲しい商品やサービスが明確な購買意欲の高いユーザーに加え、それらが明確でない潜在層にもアプローチすることができます。具体的には、商品やサービスを知らないユーザーを、より詳細の検索や購買検討といった行動にまで誘導することが期待できるでしょう。

目に留まりやすい

ディスプレイ広告はテキストと画像や動画を組み合わせて掲載することが可能なため、テキストだけでは伝わりにくい内容も訴求することができます。また、画像や動画を使用することで、テキストのみの広告よりもユーザーの目に留まりやすいでしょう。

クリック単価(CPC)が安い

リスティング広告とディスプレイ広告のクリック単価を比較した際、ディスプレイ広告の方が安い傾向にあります。仕組みとして、検索に連動して表示されるリスティング広告枠の数よりも、ウェブサイトやアプリ広告枠の方が表示される数が多く、競合が少ないためクリック単価が安くなります。

リマーケティング(リターゲティング)が可能

リマーケティング/リターゲティングのイメージ

過去に気になる商品を検索していて、他のサイトやアプリなどを利用している際に「この広告の商品、この前調べたやつだ!」なんてことありませんか?
これがリマーケティング・リターゲティングです。

ディスプレイ広告は、リマーケティングやリターゲティングという配信機能を使用することができます。リマーケティングとリターゲティングの違いとして、Googleで出稿する広告の場合、「リマーケティング」と呼び、Google以外のYahoo!やその他媒体で出稿する場合、「リターゲティング」と呼びます。簡単に言うと、出稿媒体によって呼び方が異なるだけです。

リマーケティングやリターゲティングとは、一度Webサイトに訪れたユーザーに対し、再度広告を表示させることができる機能です。商品やサービスに興味がある見込み顧客に再度アプローチすることで、購買を検討する行動にまで誘導が期待できるでしょう。

ディスプレイ広告のデメリット

ディスプレイ広告を活用するうえで難しい点が以下です。

CVRが低い

ディスプレイ広告は、顕在層に加え潜在層にも表示されるため、リスティング広告よりもコンバージョン率(Conversion rate=CVR)が低い傾向にあります。ディスプレイ広告の役割は潜在層への認知拡大といった位置にあたります。そのため広告を配信したい目的に応じて、購買意欲の高いユーザーにアプローチができるリスティング広告の活用も検討できるでしょう。リスティング広告についてはこちらから↓

効果測定や分析が難しい

ディスプレイ広告を配信する際、テキストと画像や動画を組み合わせたクリエイティブを配信することが可能です。さらに、詳細な配信ターゲティングにより、どの要素が結果に結びついたのか、成功要因を明確にするのが難しいでしょう。

ディスプレイ広告運用のポイント

ここまでお伝えしてきた通り、ディスプレイ広告は、潜在層へのアプローチが可能で認知の施策として有効です。ディスプレイ広告を有効活用するために、運用目的の視点と配信方法の視点からポイントを2つお伝えします。

ディスプレイ広告の運用目的を明確にする

ディスプレイ広告の主な運用目的は「ブランディング」と「レスポンス」の二つに分けられます。これら二つに共通するポイントは、ターゲットを明確にすることです。それでは詳しく解説していきます。

ブランディング目的で配信する場合

ブランディングとは

ブランディングとは、ユーザーが持つイメージと提供する商品やサービスの価値を一致させることです。
ディスプレイ広告をブランディング目的で活用する場合、ターゲットを明確にすることがポイントです。ブランディングは、商品やサービスに好感を持ってくれる人に対し、一貫した訴求が有効で、それらが商品やサービスの付加価値を高めてくれるからです。

商品やサービスのターゲットを明確にし、それに対応する配信のターゲティングを設定しましょう。それだけではなく、商品やサービスのコンセプトとはかけ離れた広告媒体や属性を除外することで、見込み顧客にならないであろう顧客のもとに広告が表示されることを防ぎます。

レスポンス目的で配信する場合

レスポンスとは

レスポンスとは、商品やサービスのお問合せや購入など、具体的なアクションに誘導することを指します。
ディスプレイ広告をレスポンス目的で活用する場合、ターゲットが理解しやすくアクションしやすい広告を配信することがポイントです。どうすれば問合せや購入に誘導できるのか、アクションを起こすきっかけとなる広告という位置づけだからです。
ターゲットを明確にすることはもちろん、次の行動を促す内容をなるべくシンプルに表すことで、ユーザーがアクションしやすい広告を配信できます。

リマーケティング(リターゲティング)広告を活用

認知の施策の中でも、見込み顧客に対し再度商品やサービスをリーチできるのがリマーケティングやリターゲティングです。リマーケティングやリターゲティングを活用することで、ユーザーを問合せや購入といったアクションに導きやすくなります。それは、興味関心が高まっているうちに再度リーチさせることで、問合せや購入の後押しになるからです。
リマーケティングやリターゲティングは、CV(コンバージョン)にたどり着きやすい、ディスプレイ広告の活用法の1つですが、興味関心を持ってくれているユーザーの属性や行動分析に加え、どうしたらCVに至るかの仮説をたて、戦略的に活用していくことが重要です。

ディスプレイ広告運用を代理店に依頼するメリット

ディスプレイ広告の運用は、自分で設定・出稿する方法と、代理店などに運用を依頼する方法があります。ディスプレイ広告の運用を代理店へ依頼するとどんなメリットが得られるのでしょうか。

自社運営よりも結果が出やすい

運用の実績がある広告代理店への依頼で、自社運営よりも効果を実感できるでしょう。
様々な業種を取り扱っている代理店であれば、運用のノウハウを活かすこともできます。また、認知拡大や問合せや購入などといったアクションにつなげたい場合、その後の自社対応を考えると、それらの受け口の体制を整えておく必要があります。そういった準備に時間を使えるのも、代理店へ依頼するメリットの1つです。

自社に合った広告の提案を受けられる

広告の効果を最大化するためには、自社に合っている広告の種類や運用方法を選定する必要があります。広告運用の準備から、実際の運用、それらを分析し効果を高めていくための提案も今後の広告に活用していくことができます。

競合の動向が分かる

競合他社の動向を知ることで、さらにユーザーにとって価値のある広告を作ることができます。競合の動きを知るための分析には、有料ツールの使用や、競合の最新情報を得るなど、精度の高い情報が必要になります。代理店への依頼で社内にツールを導入しなくても、ツールを使える人が居なくても、最新の競合情報をもとに施策を検討することができるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?今回は、ディスプレイ広告についてどんなことができる広告なのかをお伝えしました。ディスプレイ広告は、目に留まりやすいクリエイティブでユーザーに訴求できるのが大きな強みであり、広告の運用目的を明確にすることで効果的に情報を発信することができるでしょう。また、ターゲットのニーズが顕在しているか潜在しているかで、リスティング広告とディスプレイ広告のどちらが適しているのか検討することができます。運用を検討される際は、まずターゲットを明確にし、ターゲットにどんな行動を起こしてもらいたいかから考えてみましょう。

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