引っ越しの繁忙期と言えば、新学期や入社の時期を控えた春ですよね。3~5月は特に移動が多くなることから、賃貸を契約するタイミングでもあり、人気の物件はどんどん売れていきます。しかし賃貸物件のトレンドは、変化しつつあります。今どのような設備が求められており、譲れない点になっているのか。また、人気のない物件の妥協点をアピールポイントに変えるためのヒントをお伝えします。
目次
今賃貸物件に求める機能
インターネット設備
今や若者のみならず多くの世代に必要とされているインターネット。開通に時間がかかるインターネットは、特に引っ越しの時期にぶつかると、開通までもっと時間がかかってしまう。賃貸物件を契約する際、自分はどこから準備するべきなのかを早めに押さえておきたい設備でもあります。
賃貸物件のインターネットには3種類あります。
・インターネット回線の契約をはじめとする、ネット開通を1から実施
・建物までのインターネット回線は確保されており、部屋ごとに端末とプランから契約
・利用料が家賃や管理費に含まれており、入居したらすぐにネットが使える
最近、特に新しい物件には家賃や管理費の中にインターネット利用料が含まれるタイプが増えてきているのでは無いでしょうか。1から開通準備をする物件は、固定で利用している回線がある場合や、開設準備が苦にならない限り、仕方なく選択する妥協点になってしまうのです。
在宅ロッカー
インターネットショッピングで生活必需品や嗜好品を購入する人も増えてきています。特に、平日の昼間や夜の配達に間に合わずに荷物を受け取れない社会人には、とても便利な設備です。また、部屋の前に”置き配”してもらうより、商品そのものの盗難を防いだり、プライバシーを守ってくれたり、一番は好きな時間に荷物を受け取れるというメリットがあります。
オートロックとインターホン
防犯の一部として、特に女性や学生向けの集合住宅には人気の設備です。同時に、解錠のためのインターホン(音声のみもあり)が設置されていることで、部屋の前まで訪問者が来ないためプライバシーが守られます。
エアコン
季節を問わず、空調管理として利用できるエアコン。インターネットと同じく、設置が可能な物件よりも、元々設置されている方が人気なのでは無いでしょうか。
浴室乾燥機
洗濯物を干すスペースが確保できない、隣接する建物があり外に洗濯物を干せない場合などに活躍する浴室乾燥機。また、洗濯機に乾燥機能がついていない場合でも、便利な設備です。周囲の目を気にせずに干せる、虫や急な天候の変化といった外的要因に左右されることがなのも、人気の理由です。
ここまでは、物件選びの際に重要な条件として当てはまる設備や機能の一部をご紹介しました。譲れない条件と妥協点のバランスが物件選びの鍵になっていきます。
妥協点にさせるためには?
ここからは、不動産サイドのお助け情報として、売れない物件を魅力的にアピールする逆転の発想やちょっとしたアイディアをお伝えします。筆者の実体験も交えてお伝えしますが、物件選びの際の譲れない点と妥協点は人それぞれですので、あくまで1意見として捉えていただければと思います。
2口コンロ
初めて一人暮らしをした時に1口コンロで、キッチンスペースが狭く自炊自体が苦になってしまう内装でした。逆に、自炊をほとんどしない、外食や惣菜などの購入で間に合う場合、2口である必要はないでしょう。例えば、居酒屋でアルバイトする大学生の場合、まかないがあることを想定できれば、このキッチンスペースの充実をお手伝いする必要はあまり現実的では無いですね。
独立洗面台
お風呂やトイレと別に、洗面台が設置されている状態で、はじめて一人暮らしをする利用者にとって今までの生活様式と大きく変わる点かもしれません。
女性は特に独立洗面台を好みますが、ユニットバス内での使い方提案をしてみるのはいかがでしょうか。例えば、シャワースペースをカーテンで分けて、浴槽の中で済ませるなど。本来のシャワースペースを足の濡れない洗面スペースとして利用を提案するのも、物件選びの幅を広げてくれるのではないでしょうか。
駅からの距離
駅から近ければ近いほど便利ですが、その分家賃は高くなります。予算内で駅からの距離を優先条件にする際、物件の質自体が落ちてしまう事もあります。そこで少し安くて物件の質も確保したい利用者にオススメしたいのが、駅からの距離です。駅から遠いと言っても、駅と駅の距離感がそもそも徒歩20分程度だとしたら、駅から徒歩10分は遠いでしょうか?逆に、他の駅からのアクセスの良さや、他の公共交通機関があること、自転車などの利用も促すなど、交通アクセスが一つではないということもアピールポイントになるのではないでしょうか。
築年数
こちらも新しければ、建物が綺麗ですし、そもそも設備や機能自体も劣化していないという点がメリットです。過去に住んでいた物件が築何年か調べたことはありますか?私は、新しい物件を選ぶ際に、調べたことがありますが、自分と同い年の物件だったことに驚きました。というのも生活に困ったのは、一口コンロくらいで、設備や機能の劣化を約1年の期間で体感することがほぼなかったからです。
さらに、安いのに綺麗なリノベーション物件も注目されている現在では、1~2年住む物件の配管やその他の設備をこと細かく気にするひとは少ないかもしれません。注意する点としては、自然災害時が起こっても、ある程度耐久性のある物件かどうかといった点になるのではないでしょうか。
エレベーター
こちらもあったら便利な設備ですよね。特に、2階以上に部屋がある場合は普段の生活に加え、入居や退去の際の搬入と搬出にとても便利です。利用者の体が不自由であったり、そもそもエレベーター付きでないと困るような階数の場合は、必須になる項目です。
しかし、ネットスーパーやオンラインショッピングの活用で解決される事があります。日常的に必要な重いものといえばお米や飲料などが挙げられますが、これらを自分で運ばないという選択肢を提案したら、エレベーターがないことで家賃や管理費を押さえられるというメリットを推せるのではないでしょうか。
おわりに
いかがでしたか。今回は、賃貸物件に求められている設備や機能をご紹介するとともに、不動産サイドのお助け情報をお伝えしました。不動産運営にあたり、一番恐れるべきことは、空室の状態が続き、家賃収入が減ることから、物件自体を扱わせてもらえない状態になってしまうことです。これらか物件選びをする人とその担当者に代表してお伝えしたいことは「完璧な物件はそう簡単には見つからない」ということです。もちろん、家賃や管理費の上限が無く、選択の幅が大きい場合は別ですが、そもそもは元々設備が備わった物件を借りるのですから、自分好みにカスタマイズするのは、難しいということです。人によって、絶対条件と妥協点は異なりますが、上記でまとめた妥協点のアピールポイントを活用してみるのはいかがでしょうか。