はじめに
この記事では、ポスティングの実施をはじめて検討されている担当者様に向け、ポスティングとはどのようなものなのか、メリットや具体的なやり方などを解説します。新聞折込との比較も含め、訴求したい内容がポスティングとマッチしているか確認するところから始めてみましょう!
ポスティングとは
ポスティングとは、チラシなどの広告物を指定されたエリアの住居ポストに投函する広告配布手法の1つです。チラシは、用途によって配布方法が異なります。例えばポスティングは、地域に特化した情報を不特定多数に向けてアプローチする際にオススメの方法です。ポスティングとその他の配布方法を、主なターゲットや配布先などから比較検討したい場合は、こちらの記事を参考にして下さい。
まずは、ポスティングで広告物を配布する場合も含め、情報を発信する側と情報を受け取る側とでどんな行動を起こし、商品の購入や問合せに至るのか仕組みを見ていきましょう。
PUSH(プッシュ)型広告とPULL(プル)型広告
広告には「プッシュ型」広告と「プル型」広告があります。
それぞれの特徴と、ポスティング広告がどちらに分類されるかを解説していきます。
「プッシュ型」広告とは
「PUSH」直訳では「押す」
プッシュ型広告とは、サービスや商品を提供する企業側が、商品やサービスに興味を持っているかいないかなどを問わず、一方的にアピールする広告です。代表的なもので言うと、テレビCM・バナー広告・折込チラシ・ポスティング・中吊り広告などがあり、不特定多数の人に向けたアプローチができることがメリットです。
「プル型」広告とは
「PULL」直訳では「引く」
プル型広告とは、顧客から直接、商品やサービスへの問合せを頂き成約に導く広告です。代表的なもので言うと、リスティング広告やフリーペーパーです。
プッシュ型との違いとして、自ら商品やサービスを探しているユーザーに対してアピール出来るため、成約率が高く顧客獲得単価が安く抑えられることがメリットです。
ポスティングはプッシュ型広告
ポスティングは、「プッシュ型」広告に分類されます。商品やサービスの認知、OPEN記念セールなど、その地域に特化した情報を不特定多数の人にアプローチするために活用できます。
また、ポストの中身は必ず見るという点から、プッシュ型広告の中でも、ポスティングがオススメです。
チラシは保管できる広告物
ポストへの投函物は、個人宛のものも含まれます。必要な情報かどうかを手に取って確認し、必要な情報だと判断された場合は保管してもらえるのがチラシの特徴です。例えば、不用品回収のチラシやピザのデリバリーチラシなどは、今は必要ないけどいつか使うかもしれないという理由で、保管されやすいのです。それらを冷蔵庫などに貼って保管している場合、webに触れている時間しか表示されないweb広告と比べると、接触頻度は高くなると言えるでしょう。
ポスティングの特徴と注意点
ポスティング | 新聞折込 | |
ターゲット | 若い世代へのリーチも可能 | 新聞の購読者 |
配布媒体 | ポストに入る大きさであれば チラシに限らず配布可能 | A4・B4サイズのチラシが一般的 B5サイズでも配布は可能だが、 小さすぎると折込には適さない A3・B3以上は折加工が必要 |
配布セグメント | 軒並み配布・ローラー配布/ 戸建てのみ/集合住宅のみ/ 指定マンションのみ | 希望エリア/希望の銘柄 |
内容の規制 | 審査等は特にないが、 必要事項の記載があるかの確認は、 配布業者によって事前に行われる 事が多い。 | 紙面審査あり |
配布期間と枚数 | 約1週間かけて配布 ・1人1時間で300枚程度 (建物が密集している場合) ・1人1時間で100~200枚程度 (建物の間隔が離れている場合) | 1日で配布 |
費用 | 単価は配布エリアと配布セグメント により変動、費用は折込より高い | 単価は配布エリアにより変動、 費用はポスティングより安い |
ターゲット
新聞折込のターゲットが新聞を購読している世帯のみなのに対し、ポスティングはポストがある世帯へのチラシ投函ができます。つまり、新聞を購読していない若い世代へのアプローチも可能です。
配布媒体
新聞折込は、新聞に折り込むため基本的に広告物の媒体はチラシです。ポスティングの場合は、直接ポストへ投函するため、ポストに入る大きさの広告物であれば手に取って貰いやすいマグネットなどを制作する場合もあります。一般的なA4サイズ・A6(はがき)サイズのチラシに加え、ポストに入るサイズであれば、形状を選べるのもポスティングの強みです。
【例】
・小冊子
・サンプル付きのチラシ(カイロ/マスク/除菌シート)
・うちわ
・卓上カレンダー
・マグネット
・ポケットティッシュ
ただし注意点として、ポストに配布される物は複数あり、大きいものや重いものやかさばるものは、ポストを破損してしまう恐れがあるため配布前に配布自体可能かの確認が必要です。
配布セグメント
ポスティングは、戸建のみ、集合住宅のみ、指定マンションのみといった配布方法の選択が可能です。さらに、自社での配布か配布業者への持ち込みを選択することができます。自社配布の場合は配布エリアと配布部数を自身で決める必要がありますが、配布業者へ依頼する場合は、配布部数や希望に沿って配布時期やエリアやセグメントの提案をしてくれる場合もあります。
内容の規制
基本的には、以下の内容に漏れが無いかの確認です。
・広告主の名前
・広告主(事業所など)の住所
・広告主と繋がる固定電話の番号
ポスティングの内容確認は、新聞折込の紙面審査ほど厳しくはないですが、誹謗中傷や断定表現など広告の規制に反していないかのチェックは行われ、必要に応じて内容の変更が求められる場合もあります。
ポスティング配布を検討されている場合は、印刷前に上記の内容に漏れが無いか確認し、あらかじめ配布を検討している業者へ配布可能な内容か確認してもらうことも視野に入れておくと良いでしょう。
配布期間と配布枚数
配布期間としては、新聞折込の配布期間が1日なのに対し、ポスティングの配布期間は約1週間です。小ロット(~3万部程度)の場合は、2〜3日程度で配りきれることもありますが、大ロット(5万部程度~)の場合は7日間め一杯使って配布し、場合によっては配布期間を追加して配り切ります。
また配布枚数としては、一般的に、建物が密集している場合は1人1時間で300枚程度の配布が可能と言われており、建物の間隔が離れているなどといった配布が難しい条件の場合、1人1時間で100~200枚程度と言われております。こちらの数字は、配布する人の配布経験数によっても差が出てくるもので、配布するエリアなどその他条件によっても変動します。
費用
ポスティングは、新聞折込よりも費用が高くなります。両者共通して、配布地域や広告物のサイズによりボーダーとなる配布単価が設定されており、ポスティングはより詳細な配布セグメントの設定により価格が上乗せになる場合があります。
配布地域に関して
都市部やその近郊エリアなど、集合住宅が密集している地域への配布は、効率的に大量配布できるため、比較的単価が抑えられます。対して、田舎など1つ1つの世帯が離れており配布するのに時間がかかる地域では配布単価が高くなります。
詳細の配布セグメントに関して
ボーダーとなる配布単価は、後述する軒並み配布・ローラー配布など、一般的な配布セグメントの場合です。戸建てのみ/集合住宅のみ/指定マンションのみといった条件を設定する場合は、価格が変動します。
クレームに注意
ポスティングの注意点として、広告物が投函されるのを事前に対策している世帯もあることを認識しておきましょう。
配布禁止の表示がある場合は、その世帯への投函は避けましょう。その他にも、雨で濡れてしまうほどはみ出して投函したり、ポストがいっぱいなのに無理やり投函したりするとこれらもクレームに繋がります。新聞を購読している世帯への配布とは異なり、配布する際の注意が必要になってきます。
ここまで、ポスティングはどこの誰に向けて訴求できる配布方法かを解説しました。続いては、ポスティングで配布した広告物の効果や反響をどのように計測するのかを見ていきましょう。
ポスティングによる効果測定
ポスティングは、webとの連携で流入を計測することができます。具体的には、サイトへの誘導やクーポン付与などの受け口を用意しておくことで、どれくらいの人がアクションを起こしたかなどを計測することができます。
効果的な施策かを見極めるためにも、以下のような計測をオススメします。
チラシに二次元コードを付けた計測
Googleアナリティクスというアクセス解析のツールを使用することで、ホームページへの流入元はポスティングチラシなのか、店舗前でのクーポン配布なのか、SNSの投稿なのかなどを把握することができます。さらに、ホームページにアクセスしたユーザーが、問合せや予約や購入などといった行動を起こした場合、その数を可視化することもできます。
【計測用二次元コードの作り方】
ホームページやサイトなどのアクセス解析として、Googleアナリティクスを連携させます。
Googleアナリティクス内のメニューからキャンペーンURLというものを作成します。作成したURLをコピーし、二次元コード作成ツールの使用で二次元コード化することが出来ます。
webとの連携で効果的な集客を行う
上記で紹介した二次元コードを広告物に掲載することで、他の施策と比べた時の良し悪しを計測することが出来ます。もちろん、その二次元コードにアクセスしてもらうためには、顧客にとってアクセスするメリットがある内容で訴求する必要があります。
ポスティングの特徴から効果測定方法までをお伝えしたところで、より具体的にポスティングの実施をオススメするケースを紹介します。
ポスティングをおすすめするケース
広告の中でもポスティングを選ぶ時はどのようなケースが好ましいのか、説明していきます。
ターゲットが新聞購読者以外
ポスティングと新聞折込の特徴を比較すると、新聞を購読していない世帯にもアプローチすることができるため、比較的ターゲットを広く設定することが可能です。
新聞折込は、新聞から情報収集を行っているビジネスマンや高齢者などに向けた訴求が有効なのに対し、ポスティングは若い世代や、一人暮らしの方にも情報が届きやすいのが特徴です。
地域密着型の訴求内容
ポスティングをする際、店舗住所を中心に2万部配布/〇〇市内全域などといった配布エリアの選定が可能です。訴求したい商品やサービスの対応範囲に近いターゲティングを行い配布を実施することで、情報を届けたい人に向けて効率的に訴求できます。
競合がweb施策を中心に行っている場合
ポスティングのみで効果を出すのが難しくなってきている現代では、webとの連携でポスティングの効果を発揮することが期待できます。競合がwebの施策を中心に実施している場合、競合が少ないオフラインの領域でも接触数を増やせるという点で、ポスティングは効果的です。webに触れている時間のみ表示される広告に対し、保管できる広告物としての強みを活かすことができます。
それでは実際に、ポスティングをどのように実施するか・どのように依頼するかを見ていきましょう。
ポスティングのやり方
ポスティングの配布方法は、自分で配布するか配布業者に依頼するかの2パターンがあります。
それぞれのメリット・デメリットや依頼する時期、費用を抑える方法を見ていきましょう。
自分で配布/配布業者に依頼する際のメリット・デメリット
自分で配布 | 配布業者に依頼する | |
メリット | ・配布にコストがかからない ・配布の期間を自由に設定できる ・投函するポストをダイレクトに選べる | ・指定したエリアが広域でも配布が可能 ・配布禁止ポストを避けた投函が可能 ・どこに何部配ったかが分かる |
デメリット | ・配布に時間がかかる ・配布枚数が限られる ・チラシお断りの表示に注意する必要がある | ・コストがかかる ・配布物の制作に納期がある ・優良な業者の選定に手間がかかる |
コストがかからずダイレクトに投函するポストを選んで配布できるのが自分で配るメリットではありますが、配布禁止のポストの区別や広域大量配布が可能などといった配布業者に依頼するメリットとも比較する必要があります。集客施策を実施したあとの現場の体制にも力を入れる必要があるのであれば、配布する手間を省くために、業者に依頼するという選択肢を検討してみるのも良いでしょう。
ポスティングを依頼する時期
配布業者に配布を依頼する際は、まず初めに配布完了日を決めましょう。
一般的に、広告物の納品期日は配布開始日の2~3日前です。
前述したように、一般的には1週間程度で配布期間が設定されます。
・小ロットを配布する場合は2〜3日程度
・大ロットの場合は7日間+配布期間を追加して配り切る
例えば、3月18日(金)に配布完了したい場合、以下がモデルスケジュールになります。
3月9日(水)~10日(木) ポスティング業者指定場所へ納品
3月12日(土) 配布開始
3月18日(金) 配布完了
デザイン制作から印刷完了までを約2週間とすると、ポスティングを含み全体で約1か月は見積もる必要があります(※印刷用データが完成している・印刷の日数がもう少しタイトにすむ場合は変動します)。
配布の費用を抑えるコツ
ポスティングは、手軽に始められる集客施策の1つですが、配布の仕組みを理解しておくことで、効率的に訴求活動ができます。
①「併配」を利用する
「併配」とは、配布業者が複数種類のチラシを同時にポストへ投函する配布方法で、効率よくチラシの配布ができるため「単配」とよばれる単品での投函よりも単価が下げられる場合があります。他の配布物と配布期間を合わせることで併配を利用できる可能性があり、配布期間が他の配布物と被らない、配布時期を細かく設定している際は、「単配」になる可能性が高くなります。
基本的には、配布の業者側で併配か単配かを振り分けていますが、配布の時期にこだわりがなく費用を抑えたい場合は事前に相談も可能です。
②配布先の条件を緩める
ポスティングの配布方法には、「軒並み配布/ローラー配布」や「〇〇のみ配布」といったものがあります。
「軒並み配布」「ローラー配布」とは、戸建て住宅・集合住宅に関わらず指定エリア内で満遍なく配布する方法です。対して、戸建てのみ・集合住宅のみ・高級マンションのみといったセグメントを絞った配布は、あらかじめその地域内で戸建て住宅のみをピックアップしなくてはならない為、配布の単価が割高になります。
また、坂道が多い地域や1軒1軒が離れている過疎地域などは、通常の軒並み配布と比べて配布に時間と手間がかかるため、こちらも配布単価が割高になります。
まとめ
いかがでしたか?ポスティングとはどのようなもので、メリットや具体的なやり方などを解説しました。ポスティングは、集客施策の中でも比較的手軽に始められるものの1つです。自社で配布する場合と、配布業者に依頼する場合でも違いがでてくるため、検討材料になれば幸いです。